誕生日のプレゼントに楽しい本を贈ってやろうと 本選びのために書店を訪れました。
中学年の本選びのポイント
低学年においては、絵本の読み聞かせから、本に興味をもち、自分でも読んでみようとする力をつけるための習慣づけが、大切です。
中学年、3年生になっても、まだまだ一人読みがうまくいかず読書に対する抵抗を感じる子もいます。けれど、とにかく夢中になって読めたという体験が読書好きにつながります。
興味をもつテーマであること
動物や冒険、ファンタジーなどのテーマやジャンルを選ぶことが大切です。このようなジャンルは、子供たちにとって、興味が持てるジャンルだと思いおます。
好奇心旺盛のこの時期の子ども達にとって、楽しい、面白い、わくわくするといった本に出合えるようにすることが、大切なです。
イラストや図が豊富であること
イラスト、絵や図の多い本は、視覚的に楽しめ、理解を助けるためにも特に中学年の子ども達には、効果的です。
シリーズものの本
続きの気になるシリーズ本は、読書の習慣づけをするのに役立ちます。
レビューや推薦に耳をかす
友達や、子ども達の親たちの推薦や、本のレビューを参考にするのもよい方法です。
つい、子どもたちに読んでもらいたいと大人目線で本を選ぶ傾向がありますが、本を読んだ子供が『面白かったよ。続き(続編)が読みたいな。」と言える本を探してみるのがいいと思います。
短いお話でも、おもしろくて、楽しくて、夢中になれる本、絵がいっぱいでも興味をもって読める本、単純なストーリーだけどわかりやすくて面白い本、などそういった本を読み終えた時の達成感が自信につながり、またほかの本を読んでみたい。という風に習慣化されるはずです。
そこで、子ども目線として、小学生が選んだ楽しい本、”子どもの本”総選挙での人気の本を紹介します。
小学校3年生が選んだ人気本ランキング15選
第4回 小学生が選ぶ ”子どもの本” 総選挙 データベース1000 3年生の欄を参考に 人気の本を15冊ピックアップしてみました。
- りんごかもしれない ヨシタケシンスケ
- 大ピンチずかん 鈴木のりたけ
- おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典 今泉 忠明
- あるかしら書店 ヨシタケシンスケ
- ドラゴン最強王図鑑 健部伸明
- ふしぎ駄菓子屋銭天堂 廣島玲子
- 給食室のいちにち 大塚菜生
- このあとどうしちゃおう ヨシタケシンスケ
- りゆうがあります ヨシタケシンスケ
- ほねほねザウルス ティラノベビーのぼうけん ぐるーぷ・アンモナイツ
- 四つ子ぐらし ひのひまり
- パンどろぼう 柴田ケイコ
- 水族館のサバイバル1 ゴムドリco.
- おもしろい!進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典 今泉 忠明
- ころべばいいのに ヨシタケシンスケ
シリーズものの本や、ユーモラスな楽しい絵の絵本、ヨシタケシンスケさんの絵本が多くランクされていますね。
それぞれ手に取って紹介したいと思います。
りんごかもしれない
りんごかもしれない ヨシタケシンスケ 2013年 ブロンズ新社
ひとつのりんごをめぐって、次から次へと繰り広げられる、不思議でユニークな世界。見方を変えれば、りんごひとつで無限に遊べる。発想力で楽しく豊かに過ごす方法がぎっしりつまった絵本です。
たった1つのりんごから とってもたくさんのアイディアが出てきて楽しいですね。いろんな角度からりんごを眺めることによって、たくさんの空想を膨らませることができます。ものの見方を考えさせられますね。
自由な発想をすること、今までと違った視点でものを見ること、正しいとか間違っているとかではなく、独自の見方・考え方をすることが自分を成長させてくれることに気づかせてくれますね。
大ピンチずかん
どれも子供たちの身近に起こるピンチの数々。大ピンチレベルのおおきさを数字で、大ピンチのなりやすさを5段階に分類して紹介しています。
いろんなピンチが描かれています。イラストもとてもかわいくて、自分も経験したことあるなぁ…と共感しながら楽しんで読めました。
図書館でもとても人気の本で、予約がいっぱいのようです。
これから起こるであろういろんなピンチに備えるためにも、読んでみたいですね。
おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典
おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典 作/今泉 忠明 2016 年高橋書店
進化の結果 どうしてそうなったの?と ちょっと残念なかんじになってしまった生き物を紹介しています。大人も子供も注目の大人気作品です。
いきものの面白い情報が満載です。ちょっと意地悪な目線だけれど、クスッと笑えるところが面白いですね。友達に、これ知ってる!と自慢したくなるんじゃないかな。
一つ一つの動物を短い文章で分かりやすく紹介しています。生き物に対して興味をもつきっかけになりますね。
あるかしら書店
あるかしら書店でおじさんに「○○って本あるかしら」と尋ねると、「ありますよ!」と言って奥から出してきてくれます。
「こんな本あったら楽しいだろうな」っていうアイデアがいっぱい!です。
この本を読んだあるお父さんいわく、『子供の時に読めていたら、もっと早くに本の魅力に気付けていたかも』だそうです。
イラストもとってもかわいいですね。
ドラゴン最強王図鑑
ドラゴン最強王図鑑 監修/健部伸明 絵/なんばきび 七海ルシア 2022年 Gakken
様々な種類のドラゴン 「王者の種族」の頂点に立つのは誰だ! トーナメント戦をイラストで紹介しています。
ルールや対戦表、それぞれのドラゴンの説明等も漢字にはすべてルビがふってあり、興味をもって読んでいました。
迫力満点のドラゴンたちが出てきます。とってもかっこいいですね。
人気の図鑑シリーズで、空想上の生物であるドラゴンを対戦形式でそれぞれ紹介しています。テレビアニメで放送中でとくに男の子に大人気です。
ふしぎ駄菓子屋銭天堂
ふしぎ駄菓子屋銭天堂 作/廣島玲子著 絵/jyajya 2013年 偕成社
テレビ番組 アニメで放送中なので、知っていて、読んでみようかなという子もいるようです。幸運な人だけがたどりつける、お店でのお話です。
それぞれのお話が短いので、読みやすいし、不思議でおもしろいのでついついのめり込んでしまいますね。こんなお店あったらいいのにね。
願いが叶うお菓子を手に入れることができます。でもその後は本人のおこない次第みたいな感じですね。
給食室のいちにち
給食室のいちにち 著/大塚菜生 イラスト/イシヤマアズサ 2022年 少年写真新聞社
給食室で働く人たちの一日を、時間を追って 給食を作って、運んで、片付けるまでを楽しく学べる本です。
なかなか給食室の見学はできないので、どんな風に給食ができるのか丁寧に書かれたイラストでよくわかりますね。
何百人分もの料理作り、栄養面、衛生面にも気を配って作られることがよくわかります。給食室で働く人たちに感謝する気持ちも出てきますね。
このあとどうしちゃおう
このあとどうしちゃおう 著/ヨシタケシンスケ 2016年 ブロンズ新社
死んだらどうなる? どうしたい? 死んだ後のこと、生きてる間に考えてみよう。
死んだ後のことをノートに書いていたおじいちゃん。”死”をテーマにしていろいろ考えたことがとても分かりやすく描かれています。
子供が死について考えるきっかけになるのではないでしょうか。
また、生きている間に、やりたいこと、やれること、やらなければならないこと、を考える、悔いなく生きるために見つめなおすきっかけになりそうです。
りゆうがあります
りゆうがあります 著/ヨシタケシンスケ 2015年 PHP研究所
子どもがついやってしまういろいろなこと。どれもりゆうがあるんですよね。
思いもよらない子供の言い訳に ついつい引き込まれちゃいます。いろんなりゆうをつくり出す親子の会話がとても微笑ましいですね。
かわいいイラストに癒されます。
屁理屈かもしれないけれど、頭を柔らかくしてその理由を考えることが子供の想像力を育てるような気がします。
ほねほねザウルス ティラノベビーのぼうけん
ほねほねザウルス ティラノベビーのぼうけん 作/ぐるーぷ・アンモナイツ 2008年 岩崎書店
食欲旺盛なティラノサウルスの赤ちゃん「ティラノベビー」が、仲間のほねほねザウルスたちと一緒に冒険をするお話です。
恐竜、冒険と男の子が好きな要素が満載の本です。登場人物が全部骨だなんて面白いですね。
迷路があったり、吹き出しやイラストが多く、漫画風で読みやすく楽しめますね。
四つ子ぐらし
四つ子ぐらし 作/ひのひまり 絵/佐倉おりこ 2018年 KADOKAWA
ひとりぼっちだと思ってた私……、実は四つ子だった!?
別々の環境で暮らしていた4人が 中学入学を機に 共同生活を始めることになりました。 性格の違う4人がどういう風に付き合うのか、子供だけの家庭生活、家族とは、母親の出現などなど、いろいろ勉強になると思います。
パンどろぼう
お茶目で憎めないパンどろぼうが、今日も事件をひきおこします。
カラフルでかわいらしい挿絵が魅力的ですね。パンがとってもおいしそうに描かれています。道徳的なメッセージも含まれていて、子どもの成長に良い影響を与えられると思います。
水族館のサバイバル1
水族館のサバイバル1 作/ゴムドリco. 2020年 朝日新聞出版
『深海のサバイバル』でお世話になったコン博士に招待されて、博士が館長を務める水族館にやってきたジオ、ピピ、ケイの3人が、水族館の中でさまざまな事件に巻き込まれる。水族館や海の生物に詳しくなれる本。
水族館の裏の仕事の大変なところがよくわかる本ですね。笑って読める科学漫画です。各章の間にサバイバル科学知識が掲載されていて、とても勉強になりますね。
おもしろい!進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典
おもしろい!進化のふしぎ 続 ざんねんないきもの事典 監修/今泉 忠明 2017年 高橋書店
ざんねんないきもの事典 の続編です。
動物の生態の話はホントに面白いですね。身近な生き物から絶滅した恐竜のことまで、一ページに一種類ずつで、楽しく読めました。ねえねえ、これ知ってると言って話したくなるようなことがいっぱいありますね。子供が喜ぶウンコねたも結構ありますね。
ころべばいいのに
ころべばいいのに 作/ヨシタケシンスケ 2019年 ブロンズ新社
きらいな人がいて、嫌な気分になったときどうする??
「嫌い」を無理に「好き」にせずに、でもネガティブな気分との付き合い方を考えるって、大人でもなかなかできない。
『誰にでも嫌いな人はいる。その人が悪いのではなくカゲで操る紫色の「アイツ」のせい、っていう考え方がヨシタケさんらしくて優しい。』との感想があります。
人間関係、好きも嫌いも自分次第ですね。
まとめ
子ども目線で選んだ楽しい本を15冊紹介しました。
結構考えさせられる、奥深いものもあります。
でも、どれも楽しい素敵なイラストがあり、長い文章ではないので、とりかかりやすいのではないでしょうか。
また、シリーズものも多く、面白かったからこの続きが見てみたいという風になるのではないでしょうか。
事典、あるいは図鑑という形で、リアルな絵、ユーモラスなイラストが興味をそそるのではと思います。
子供たちが選んだ本なので、子どもたち同士でも、本を介して話題が広がり、友達の輪が広がり、普段の生活も楽しいものにつながっていくのではないでしょうか。
さまざまなジャンルの本を試して、自分に合ったものを見つけてください。
読書の習慣を身につけるために、毎日30分読むとか、月に2冊読むとか具体的な目標を立てたり、読んだ本や時間を記録したりするのもいいですね。