小学校3・4年は、ギャングエイジとよく言われてきています。今までとは違った態度をとり、両親や先生に対し反抗したりするものです。周りにいる大人よりも身近な友達などの影響を強く受けながら行動するものです。
読書に対しても、友達の影響を受けやすいものです。周りで話題になる出来事(遊び、映画、テレビ、漫画、本、など)に出会い 友達と一緒に行動することにより、その充実感をつかむことができるのです。
このころの子どもたちは、短いお話でも きちんと読み通す経験を積み重ねることにより 自信につながり、だんだん長いお話を楽しむことができるようになります。
好奇心旺盛のギャングエイジ、中学年のお子さんにおすすめの物語を10冊選んでみました。
中学年のお子さんにおすすめの児童書 10選 第2弾
ー 短いお話から少し長いお話へ ー
なんでもただ会社
ティエリー少年のお話です。退屈なので、適当な番号に電話をかけて遊ぶことを思いついて、実行します。すると、「なんでもただ会社」につながりました。その会社に会員登録をすると、最後に ”ん” で終わるもの以外 なんでもタダでもらえるというのです。ただし、最後に ”ん” のつくものを頼んでしまうと、今までもらったものを全部返すか、宇宙の果てにある星へ行って 死ぬまで働かなければならないという条件づきです。ティエリーは、会員になって、まずはトラックをもらい、次は飛行機、その次は、ボールというようにおもちゃをもらいます。電話の相手は、なんとか最期に ”ん” で終わるものを言わせようと つぎつぎと わなを仕掛けてきます。ティエリーは、何度か ”ん” を言いそうになります。さて、うまく切り抜けられるでしょうか。
チム・ラビットのぼうけん
チムは好奇心旺盛で勇敢なうさぎの男の子です。優しい家族や近所の動物たちと過ごす日々の出来事を描いた9つの短編集です。「チム・ラビットとはさみ」というお話では、草刈り場で誰かが落としたはさみを拾います。お父さんが棚の上にしまっておいたのですが、チムは、なんでも切れるのが楽しくて、自分の毛まで切ってしまいます。そのほか、雨の日に お百姓さんの子どもが傘をさしているのを見て、チムが、キノコを傘代わりにして歩くお話。はたけのかかしたちを相手に繰り広げる楽しいお話。のんびり、ほんわかとした動物たちとのお話です。
お父さんのラッパばなし
もとちゃんのお父さんは、毎晩ごはんの後にラッパばなし(ほらばなし)をしてくれます。最初のお話は、お父さんの子どもの時のお話「富士山の鳥よせ」、その後の13のお話は、お父さんが18歳になって世界を旅してまわるお話です。ニューヨークでは、超高層ビルの窓ふきになったり、イギリスでは、サーカス団で大活躍したり、バクダッドでは、大どろぼうを捕まえたり、世界各地を渡り歩いて次々ほらばなしが繰り出されます。
先生しゅくだいわすれました
宿題を忘れたゆうすけ、なんとか忘れた理由を言い訳しますが すぐばれてしまいます。すると、宿題を忘れた言い訳でついたバレバレのウソじゃなくて、みんなを楽しませるウソならいいんじゃないと先生。 そこから、クラスみんなの 宿題を忘れてしまったウソのお話が始まります。
小公子
お父さんを小さい時に亡くし、やさしい母と二人でアメリカで暮らしていたセドリックは,突然 お父さんの兄が亡くなったことで イギリスの貴族である父方の祖父の跡をつぐことになります。年取った祖父のドリンコート伯爵は偏屈でみんなから嫌われていましたが,セドリックの無邪気であたたかい愛情にふれるうちに,その冷たい心がしだいに変わっていきます。古典の名作なので、多くの翻訳本がありますが、完訳で言葉もきれいな岩波少年文庫版がおすすめです。
魔女学校の一年生
ミルドレッドはカックル魔女学校の一年生。でも、ほうきから転がり落ちるは、薬の調合はまちがえるは……学校一の劣等生です。とうとう、ハロウィーンのパーティをだいなしにしてしまい、夜中に学校からにげだします。
どじで、おてんばな魔女が、いつのまにやら痛快な大活躍をするお話です。
イギリスで20年来読みつがれ、『ハリー・ポッター』の原型ともいわれている、人気シリーズです。
オズの魔法使い
ある日、突然起きた竜巻により ドロシーと愛犬トトは、カンザスの大草原から見知らぬ場所に運ばれてしまいます。北の魔女に出会ったドロシーは、カンザスへの帰り道を教えてもらうため、また、途中で出会った、わらのかかし、ブリキの木こり、ライオンも 彼らの願いを聞いてもらうため、エメラルドの都を目指し、オズ大王に会うための冒険の旅が始まります。アメリカファンタジーの古典です。
くろて団は名探偵
男の子3人と女の子1人、それにリス1匹のくろて団(黒手団)のメンバーが、推理をしながら、犯人を追い詰めていく謎解きのお話です。探偵には欠かせない 推理力と観察力がためされるユニークな本で、絵を良くみると、ヒントが描きこまれています。絵を見て謎解きが楽しめる一冊です。
お江戸の百太郎
江戸の下町を舞台に,捕りものの腕はさっぱりの岡っ引き 千次親分と,反対に知恵のまわるしっかり者のむすこの百太郎が 寺子屋の師匠や友達も引き入れて 親子二人がコンビで事件を解決していきます。町人同士の何気ないやり取りなども、人情味あふれています。江戸時代の時代背景や風俗もよくわかります。
森は生きている
わがまま女王が、真冬に 4月の花マツユキソウをほしいといいだし,国じゅう大さわぎになります。いじわるな母娘が、ご褒美欲しさに まま娘を雪の中に放り出します。継母の言いつけで吹雪の森に分け入った まま娘は,12の月の精たちに出会います。哀れに思った12の月の精たちは、春を呼び寄せ、マツユキソウを摘ませてやります。わがままな女王は、それだけでは飽き足らず、もっといろいろ要求するのです。・・ 有名な児童劇です。
お話の内容に、いくつかの起伏がある、少し長めの物語を読むことができるようになると、達成感を経験し、自信につながっていきます。
※ 小学校中学年(3、4年生)におすすめの本、児童書10選 第3弾 もご覧ください。