映像は、目と耳から自然に入ってきます。本の世界は、目からですが、読み聞かせから始めると、映像と同じように目と耳から自然と入ってくるものです。幼児、小学校低学年のお子さんには、読み聞かせから始めて楽しさを感じ取ってほしいですね。
読み聞かせの経験や、学校司書が選んだブックガイド等より、読書に親しみ始めた小学校低学年のお子さんにすすめる本を10冊、選んでみました。
自分からすすんで読んでみようと思える本、一人読みに少しずつ慣れてきた 好奇心旺盛なお子さまにおすすめしたい、わかりやすい内容の物語です。
低学年のお子さんにおすすめの楽しい本 10選 第2弾
一人読みに慣れてきたお子さんに
エルマーのぼうけん
エルマー少年のある冒険のお話です。冷たい雨の日に 助けた年取った野良猫から、動物島にいるかわいそうな竜の話を聞きました。エルマーはその竜を助けるため、リュックに荷物を詰めて、船に忍び込んで、動物島への冒険が始まります。勇敢に立ち向かいながらも、戦う道具が 輪ゴムやチューインガム、歯ブラシといった身近なもので、感情移入しやすいと思います。色鮮やかな挿絵とともに 長く親しまれている名作です。
なぞなぞのすきな女の子
なぞなぞが大好きな女の子のお話です。なぞなぞの相手を探していると、森でばったりオオカミに出会います。オオカミの方は、お昼に食べる子供を探しているところでした。そうとは知らない女の子は、オオカミとなぞなぞを始めます。オオカミの怖さを知らない女の子と、初めてのなぞなぞ遊びに困ってしまうオオカミとの楽しいお話です。なぞなぞ遊びを楽しんでいるうちに一冊読めてしまうような そんな本です。
ももいろきりん
るるこは、部屋いっぱいになるくらいの大きな桃色の紙をもらいました。その紙でのりとはさみを使って、きりんを作ると、本当に動き出します。雨にぬれたら、色がはげたので、元どおり桃色にするために色を塗りなおそうと”クレヨン山”へ向かいます。物語と絵がよく合っている幼年向きのファンタジーです。工作したものが、現実になるお話は、日頃から紙やクレヨンに親しんでいる子にとって 夢が広がり 楽しませてくれます。普段の遊びの延長として読める本です。
いやいやえん
わがままでいたずらっ子の保育園に通う しげるが主人公のお話です。お父さんが買ってきてくれたおもちゃの車の色が気に入らなくてきげんが悪くなります。なんでも『いやだよう』と言って困らせます。そこでしげるのお母さんに、チューリップ保育園の先生から「いやいやえん」に行くように勧められます。「いやいやえん」では、やりたいことだけをやって、嫌なことはやらなくてもいいのです。何でも好きなことをしていい自由な場所ですが、しげるは、何を感じたのでしょう。この本は、著者の保育士時代の経験より書かれた いやいやえんと他6つの短編からなっています。
あおい目のこねこ
あおい目のこねこは、ねずみの国をみつけたら、おなかをすかせることはないと考え 探しに出かけます。途中でいろいろな困難に出会いますが、前向きに進んでいきます。同じく ねずみの国を探す黄色い目の5匹のこねこに出会い、あおい目をばかにされながらも一緒に暮らすようになります。ある日、犬に襲われた5匹の黄色い目のこねこを たまたま あおい目のこねこが助けます。仲間外れにされても くじけず 前向きな あおい目のこねこは、子供たちにとっても 魅力的でしょう。
たんたのたんけん
たんたの5歳の誕生日に 窓を開けると 白い封筒が飛び込んできました。中に入っていたのは、1枚の地図。探検の地図だと思ったたんたは、すぐに探検の支度をして出かけます。途中で、ヒョウの子 バリヒと出会い、一緒にジャングル探検に出かけます。たんたと、個性豊かな動物たちがくりひろげるゆかいな物語です。子供たちの気持ちに沿っていて、冒険心を きっと満足させてくれるでしょう。
かいけつゾロリのドラゴンたいじ
ゾロリシリーズの最初のお話です。ひとり修業の旅にでたゾロリは、あるときお姫さまの花むこに立候補することにしました。お姫様とアーサー王子の結婚を邪魔をしに行きます。
ドラゴンに誘拐されたお姫様を救いにゾロリとアーサー王子が勝負することに・・。主人公のゾロリは、けっして正義のヒーローではなく さぼったり、ずるしたり、いじわるしたり、身近なキャラクターであることが子供たちを引き付けているようです。
ごきげんなすてご
三か月前に弟が生まれると、お母さんは、弟ばかりかわいがる。ほったらかされた私は、捨て子になって もっといい家にもらわれることにしようと、箱の中に入って、拾ってくれる人を待ちます。おなじ境遇のいぬ、ねこ、かめも仲間になって、もらってくれる家庭をさがしますが、拾ってくれる人はなかなか現れません。弟が生まれて、お母さんを取られたような気分になった姉のさみしい気持ちが ユーモラスに描かれています。
わにのはいた
動物園にすんでいるわにの子 アリは、歯が痛くなって我慢ができなくなります。病院に行くことにしますが、アリは、怖くて仕方がありません。そんなアリは、病院と反対方向に行くバスに間違って乗ってしまいます。そして、たまたま乗り合わせた男の子の家に行って遊ぶことにしました。夜になって歯の痛みがひどくなり、その子の家に泊まることにします。実は、その子の家のお父さんは、アリが行こうとしていた病院の歯医者さんでした。次の日、アリは男の子と病院にいきます。 病院に行きたくない気持ちと、やっぱり早く痛みを取るために早く病院に行きたい気持ちがユーモラスに描かれています。
どろんここぶた
お百姓さんちの子豚は、食べるのも寝るのも大好きでしたが、一番好きなのは、やわらかーいどろんこの中に、座ったまま沈んでゆくことでした。ある日、子豚を可愛がっていたお百姓さんの奥さんが、大掃除をしてくれたのですが、子豚の一番好きなどろんこまで片付けてしまいました。おこった子豚は、どろんこを求めて家出をします。
子豚が泥んこ遊びをしている時の顔、子豚のうれしさがこちらにも伝わり、泥遊びの経験をしている子どもたちの共感を呼びます。
まとめ
どの作品も挿絵がきれいで、身近なことを題材にしていて、親近感があり、自分の経験からも 内容が理解でき、楽しいのではないでしょうか。
一人読みに少し慣れてきたお子さんに、少しずつ文字が多く、絵の少ない本を進めてみましょう。小さい子供や、動物が主人公のお話は、好奇心旺盛な子供にとって興味をそそると思います。
※ 読書好きになる楽しい本10選(小学低学年向け)第3弾 もご覧ください。