
楽しい夏休の到来!
でも、夏休みの宿題、特に『読書感想文』のせいで、ちっとも夏休みを楽しめないことになっていませんか?
親からは、
『早く本を読んで、さっさと感想文 書いちゃいなさい。』
と言われませんでしたか。
実は、私も小さい頃は、読書感想文に毎年悩まされていました。
でも、簡単に書ける方法があります。書き方のコツさえ覚えてしまえば、誰でも感想文がすらすらかけるようになります。
それでは、今から読書感想文を簡単に書くコツを紹介しましょう。
読書感想文を簡単に書くコツ
読書感想文を書くための流れ
- 本を選ぶ
- 本を読む
- 感想文の構成を作る
- 構成に沿って適当に書いてみる
- 文字数を調整する
- 原稿用紙に清書する
の6つのステップです。
1.本を選ぶ 興味があることからさがしてみよう
本選びは、結構重要です。でも、難しく考えることはありません。一般的に、登場人物(主人公)に共感できるような物語、私なら(僕なら)・・・するなど、感情移入ができるものは、感想を考えやすいです。なので、感情移入できやすい本を選ぶと良いです。(ジャンルで言うと児童文学や小説です。)
また、メッセージ性の強い作品もいいです。その作品を読んで、どんなメッセージを自分が受け取ったかを書けば、感想文ができます。
推理小説や冒険ものなどは、どちらかというと感想文を書きにくい部類に入りますが、自分の読みたい本があればそれで感想文を書くと良いでしょう。
小説ではなくても、伝記の本であったり、実話・ノンフィクションなどの本であったり、興味が持てる本であれば楽しく読み進められ、良いでしょう。
現在自分が熱中していることや熱中しているものに関する本も、自分自身の体験に基づいて書くことがでできるので、良いでしょう。
読書があまり好きではない子には、単純におもしろい本が最後まで無理なく読めるので良いでしょう。
本選びに困ってしまったら、課題図書から選んでみよう。
私のおすすめは、誰もがよく知っている宮沢賢治の作品の中から『注文の多い料理店』、星新一のショートショートから『きまぐれロボット』です。『注文の多い料理店』は、いろいろな出版社から子供から大人まで読める絵本から文庫本までそろっていること。『きまぐれロボット』は、短くてすぐ読めることからです。
その他にも、低中高学年別におすすめの本を紹介します。おすすめの本はこちら⇒
2.本を読む
付箋を用意し、登場人物の気になった言動、気になった箇所に付箋をつける。
(どうしてこんなことするのかなとか、ふしぎだなとか、すごいなとか、私ならこうすると思うけどなとか、気になったところに付箋を付けてみよう。付箋にメモを書いてもいいね。)
最後までざっと読む。
次に付箋を付けた箇所を、特に気になったところ3箇所ぐらいにしぼる。
3.感想文の構成を作る(四段落構成)
第一段落 はじめに
この本を読むきっかけとなったことを書く。(分量的には、全体の約10%ほど)
- どこでこの本をみつけたかということ。・・・(友達からすすめられたとか、おばあちゃんからプレゼントされたとか、図書館でみつけたとか。)
- なんでこの本を読もうと思ったかということ。・・・(表紙の絵が面白そうだったとか、変な題名だったとか、好きそうな内容だったとか。)
- 読む前の印象はどうだったかということ。・・・(短くて簡単に読めそうだと思ったとか。)
お助けシート①
読むきっかけ | |
どこでこの本を見つけたの? | |
なんで読もうと思ったの? | |
読む前の印象は? |
第二段落 本のあらすじ
この本はどんなお話の本か大体のあらすじを書く。(分量的には、全体の約10%ほど)
お助けシート②
読んだ本 | |
題名 | |
作者 |
お助けシート③
あらすじ | |
いつ | |
どこで | |
だれが | |
どうした、どうなった |
第三段落 感想
特に感情が動いた箇所をいくつかピックアップして感想を書く。
読んだ時、付箋をつけた場所から一番気になった箇所について感想や体験談などを書いてみる。(分量的には、全体の約60%ほど)
お助けシート④
気になった登場人物 | |
だれ | |
どんな人 | |
気になった言動、考え | |
それを見てどう思ったの | |
自分と比較してみる | |
自分だったらどうする |
主人公が体験した出来事と似た経験をしたり、見聞きした話など、自分の感想も加えて書いてみる。
第四段階 まとめ
本を読んで、学んだこと、感じたことを書く。(分量的には、全体の約20%ほど)
お助けシート⑤
今までとこれから | |
何を学んだ、どう変わった | |
これからどうしようと思う |
読んだ後の自分の変化、自分自身にどんな影響を与えたか、今後どう生かしていくか、今後の抱負を気づいたことからまとめてみる。
4.構成に沿って適当に書く
構成に沿って、お助けシート①から⑤に言葉を埋めていく。
お助けシートをそれぞれ順に文章をつなげていく。
そして、仮の読書感想文を完成させる。



5.文字数を調整する
原稿用紙に仮の感想文を書いてみる。
文字数をチェックする。
小学校低学年(1,2年生)は、800字以内、小学校中学年(3,4年生)は、1200字以内、小学校高学年(5,6年生)は、1200字以内です。
足りない時は、お助けシート④に 付箋を付けた気になった箇所の二番目や三番目のことを追加してみよう。
第二段落のあらすじを増やすより、第三段落の感想を増やす方がいいよ。
6.原稿用紙に清書する
- タイトルと名前の書き方・・・タイトルは、3マス開けて4マス目から、名前は、タイトルの次の行に、下から1マス開けて書く。苗字と名前の間は1マス開ける。
- 本文 段落分けと改行・・・本文の書き始めと段落を変えるときは、上を1マス開けて書き始める。
- 文体を統一する・・・「~です。」「~ます。」という風にして終わるか、「~だ。」「~である。」という風にした終わるか、どちらかにする。ごちゃまぜで書かない。
- 句読点かぎかっこ・・・ 。(句点/くてん) 、(読点/とうてん) 「 」(かぎかっこ) 『 』(二重かぎかっこ)っゃゅょ(小さな文字)は、原則として1マス1文字で書く。
作文を書く時のルールを守って、清書しよう。
感想文におすすめの本
今年の課題図書
小学校低学年
- ライオンのくにのねずみ さかとく み雪 作 中央公論新社
- ぼくのねこポー 岩瀬成子 作 松成真理子 絵 PHP研究所
- ともだち リンダ・サラ 作 ベンジー・デイヴィス 絵 しらいすみこ 訳 ひさかたチャイルド
- われわれはアマガエル 松橋利光 文・写真 アリス館
小学校中学年
- ふみきりペンギン おくはらゆめ 作・絵 あかね書房
- バラクラバ・ボーイ ジェニー・ロブソン 作 もりうちすみこ 訳 黒須高嶺 絵 文研出版
- たった2℃で…:地球の気温上昇がもたらす環境災害 キム・ファン 文 チョン・ジンギョン 絵 童心社
- ねえねえ、なに見てる? ビクター・ベルモント 絵と文 金原瑞人 訳 河出書房新社
小学校高学年
- ぼくの色、見つけた! 志津栄子 作 末山りん 絵 講談社
- 森に帰らなかったカラス ジーン・ウィリス 作 山﨑美紀 訳 徳間書店
- マナティーがいた夏 エヴァン・グリフィス 作 多賀谷正子 訳 ほるぷ出版
- とびたて!みんなのドラゴン:難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険 オザワ部長 著 岩崎書店
中学生
- わたしは食べるのが下手 天川栄人 作 小峰書店
- スラムに水は流れない ヴァルシャ・バジャージ 著 村上利佳 訳 あすなろ書房
- 鳥居きみ子:家族とフィールドワークを進めた人類学者 竹内紘子 著 くもん出版
おすすめの本
小学校低学年
わすれていいから 大森裕子著 KADOKAWA
【すべての成長を応援する絵本】猫の目を通して、子どもの成長と巣立ちを描く絵本 誰も死なないのに泣ける、猫と少年の物語。実際に猫はこんな風に考えているのかも知れないね。
きみはほんとうにステキだね 宮西達也著 ポプラ社
いじわるなティラノサウルスが、友達との関係を通じて自己を見つめ直し、成長する物語です。 鮮やかで親しみやすいイラストが特徴で、子供たちに大切なメッセージを伝えています。優しい心が育まれる絵本です。
だいじょうぶだよ、ゾウさん ローレンスブルギニョン著 文溪堂
ゾウとネズミ、大きさや種の違いを超えた友情と死について考える心温まる物語。老いたゾウが死期を悟り、若いネズミがその旅を手伝うストーリーです。
おにいちゃん 後藤竜二作 佼成出版社
家族や兄弟の絆、成長をテーマにした感動的な物語です。 弟が困難に直面したとき、兄が全力で支えるシーンや別れのシーンは、特に心にのこります。
小学校中学年
メガネをかけたら くすのきしげのり作 小学館
ガネをかけることで新たに見える世界や、周りの人々との関係性がテーマになっています。視力が悪い子供がメガネをかけることで、自信を持ち、周囲の景色や人々の表情をよりよく理解できるようになる過程が描かれています。
いえででんしゃ あさのあつこ 新日本出版社
子供たちが自分の家を舞台に、想像上の電車の旅を楽しむ姿が描かれています。日常の中にある小さな冒険や楽しみを見つけることの大切さを伝えています。
ぼくはアフリカにすむキリンといいます 岩佐めぐみ著 偕成社
アフリカにすむ一頭のたいくつなキリンが、手紙を書きました。配達するのは、やはりたいくつなペリカン。「地平線のむこうでさいしょにあった動物」あてに書かれた手紙が、届いた先は……お互いの姿を知るための、おかしな文通が始まります。
舞は10さいです あさのあつこ著 新日本出版社
10歳の女の子「舞」の成長や日常生活を描いた物語です。きのう、おねしょした事を、同じマンションに住むなおみちゃんに知られてしまいます。「だれにもいわないで」、そう話しかける勇気が出せない…。少女のゆれる思いをやさしく描いています。
小学校高学年
びりっかすの神さま 岡田淳著 偕成社
成績順で席が決まるクラスに転校してきた始。そこにはびりになると見える神さまがいました。一番になることがすべてではない、大切なことを教えてくれた物語です。
きまぐれロボット 星新一 角川つばさ文庫
おなかがすいたら料理をつくり、あとかたづけに、へやのそうじ、退屈すれば話し相手に。なんでもできるロボットを連れて離れ島の別荘に出かけたお金持ちのエヌ氏。ところがロボットはしだいにおかしな行動を…。博士の不思議な発明、発見が様々な騒動を巻き起こします。
くちぶえ番長 重松清著 新潮社
小学四年生のツヨシのクラスに、一輪車とくちぶえの上手な女の子、マコトがやってきた。サイコーの相棒になったマコトとツヨシが駆けぬけた一年間の、決して忘れられない友情物語。
注文の多い料理店 宮沢賢治著
物語は、山奥のふしぎな料理店が舞台です。男たちが料理店に入ると、店のメニューは非常に多く、注文が非常に細かく指定されています。そのうちに、自分たちが料理の材料として扱われることに気づきます。物語は、人間の欲望や自己中心的な考え方がもたらす結果について考えさせられる内容です。
※低学年用には、子ども未来社、岩崎書店、中学年用には、野ばら社、集英社みらい文庫、ポプラ社、角川つばさ文庫より出版されています。
中学生
西の魔女が死んだ 梨木香歩著 新潮社
日本の田舎を背景に展開される物語です。主人公まいは、祖母のもとで過ごすことで、自然や魔法の世界に触れ、自分自身を見つめ直します。物語は、祖母の死を通じて、まいが成長していく姿を描いています。
人生の贈り物 あなたの探し物は何ですか? スペンサージョンソン著 扶桑社
ある男の子が老人から聞いた「かけがえのないプレゼント」の話。それは、手に入れられれば満ちたりて幸せになれるという、不思議な贈り物のことでした。人生における「贈り物」や「探し物」を通じて、自己発見や成長の重要性を説いています。
介護の花子さん あさばみゆき著 Gakken
主人公は、大学を卒業して「介護の仕事」に従事することになった新社会人。かつて「介護の仕事」は、「3K(暗い・きつい・きたない)」の代表のようにも考えられていました。しかし、主人公は、よくも悪くも、そんなことさえわかっていません。でも、だからこそ主人公は、介護の仕事にまっすぐに向き合うことになり、成長していくのです。この小説は、介護のイメージが変わる、笑いあり、涙ありの感動ストーリーです。
まとめ
読書感想文を簡単に書くコツは、
本を選ぶ⇒ 本を読む⇒ 感想文の構成を作る⇒ 構成に沿って適当に書いてみる⇒ 文字数を調整する⇒ 原稿用紙に清書する の6つのステップです。
お助けシートを利用して、うまく文章をつなげて、感想文を完成させましょう。
早めに課題を終わらせ、楽しい夏休を過ごしてください。
コメント